ひとり農業

2021年05月16日 10:39

春祭りも無事に終わり、いよいよ農作業が本格的に始まります。不思議なもので農繁期に入ると参拝者が急激に減ります。今年はコロナの影響もありますが、何故かこの時期は参拝者が少ない傾向にあります。
梅雨の時期で雨の中の参拝を控える方が増えるのかもしれませんが、農業をしながら神主をやるのは結構大変ですので案外助かっております。不在時は無人授与所をご利用ください。
去年父母が亡くなり、ひとり農業をする羽目となりましたが、寧ろ理想の農業を存分に出来るようになった事のほうが喜びでもあります。この地方の方言で「ずそ」という言葉があります。意味は手抜きする事、いい加減な仕事をする事などで、悪い意味で用いられます。
私の理想の農業は将に「ずそ農業」です。いかに手を抜き頑張らない農業は出来ないかと日々考えているのですが、つまり全国で農業の機械化が進んだのも「ずそ農業」の結果なのです。我が家も勿論機械だらけです。トラクター、田植え機、コンバイン、草刈り機、運搬車、そしてミニショベル!!高級外車が新車で買えるくらいの機械たち。ずそをするためにはお金がかかるのです。しかしまだずそを進化してゆく必要があります。
そこで先ず農業の基本草刈りを減らす!5月になると田んぼの畔草が勢いよく成長します。近所の農家は既に二回ほど草刈りを行っておりますが、我が家は春からまだ一度も草刈りをしていません。田植え直前で刈る予定です。そして田んぼの代掻作業ですが、通常田んぼに水を張って耕運機で粗めにかきまぜた後一週間から十日ほど待ちます。その間に田んぼの畔から水が漏れないように畔を塗ります。そして仕上げの耕運作業をしますが、我が家は一回で仕上げ耕運です。つまり田植え直前まで草も刈らない田んぼも耕さない。更に畔塗りもしません。
「超ずそ農業」ここに極まれり!はた目にはなんてお粗末な農業に見えるかもしれませんが、昨年第一回目の実証を行ってちゃんと結果が出ています。昨年のお米は十数年ぶりに「一等米」でした。
さあ、ひとり農業第二幕のはじまりです。

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